当学会について

ご 挨 拶

会長  下田 正弘
理事長 能仁 正顕

 20211030日、武蔵野大学で第34回パーリ学仏教文化学会学術大会が開催されました。その総会において、下田正弘が新たに会長として就任するとともに、事務局が西部地区・龍谷大学に移転することにともない、能仁正顕が理事長を務めることが承認されました。これにより、新たな執行部体制のもと、三年の間、学会が運営されていくことになります。新型コロナウィルス感染症のパンデミックのために、様々な制約があり、学会運営が困難な状況下にもかかわらず、御尽力くださいました前任の武蔵野大学を中心とした執行部の方々には御礼を申しあげますとともに、会員の皆さま方には今後とも学会の発展のため、ご指導およびご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 今年度、関係者のご努力により、二年ぶりの学会がオンラインで開催されました。仏教研究に志ある者が集い、議論を交わし、相互に学問研鑽する時間を共有できたことは、大変有り難いことであり、学会開催の意義を再認識したことであります。

 このコロナ禍を機に、社会ではIT化が急速に進んでいます。一見、デジタルとは対極にあるような仏教において、決してそれを否定的に捉える必要はないでしょう。海外への渡航には規制があり、国外の研究者との交流やフィールドワークの調査活動は実質出来ない状況にあります。図書館の利用にも制限が設けられるなど、研究活動に支障がでているのが現実です。しかし、そうした環境の変化に対応して、インドに成立して各時代・各地域において根を張り、現代に育ってきたのが仏教であり、そしてこれからも成長していくでしょう。そういう仏教を研究対象としているのが「パーリ学仏教文化学」だと言えるのではないでしょうか。

 大正新脩大蔵経などのテキストがデータベース化され、我々はネット上で容易に利用することが出来るようになりました。第34回大会の講演でも言及されていたように、仏典の写本や古典籍のより高度なデジタル化が進みつつあるようです。こうした動向にも本学会として注視していきたいと思います。

 もちろん仏教研究の原点は五感を通してであります。以前にも増して研究活動が活発化するよう、速やかなパンデミックの終息を切に願うことです。

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